いきなりですが、質問です。
  
 「あなたは自転車についてどのくらい知っていますか?理解度を10段階評価で表すと何点ですか?」
  
 恐らく、多くの人が5点以上や7、8点くらいを付けたのでは無いでしょうか?
  
 では、さらに質問です。
「自転車の仕組みについてできるだけ詳しく説明してください」
  
 少し面倒ですか?
でも、これをやらないと次に進めないので、面倒だと思いますがやってみてください。
  
 最後に、もう一度質問です。
「あなたの自転車に対する理解度を再び10段階評価で表すなら何点ですが?」
  
 恐らく、ほぼ全員の人が最初の点数よりも低い点数にしたと思います。
  
 何が言いたいのかというと、
 「人は自分が思っているほど世の中を理解していない」
 ということです。
  
 では、なぜ人間は理解していないものを理解していると錯覚してしまうのか?
今回はそのことを解説していきます。
本記事の内容
- 無知を自覚できない原因とは?
 - 正しい判断をするための方法
 
本記事を読むことで、人はどういう時に自分を過大評価してしまうのか、それをどう対策すれば良いのかがわかります。
つまり、今後の人生で重大な判断ミスをする可能性を大幅に減らすことができます。
ぜひ、参考にしてみてください。
無知を自覚して賢くなる方法【無知を自覚できない原因とは?】

 人は自分が無知であることを知るのは困難です。
なぜなら、脳がそのようにできているから。
ですが、逆に言えばその脳の仕組みを理解すれば、自分の無知を自覚し知識を上手く使えるようになります。
なので、まずは人が無知に自覚できない理由をいくつか説明していきます。
主な理由は次の通りです。
- 知識は協力のために存在するから
 - 知識は行動のために存在するから
 
それぞれ具体的に説明していきます。
無知を自覚できない原因1:知識は協力のために存在するから
なぜ、人は冒頭で話したように知らない知識を知っていると錯覚してしまうのか?
  
 それは、他人の知識と自分の知識を区別できないからです。
  
 人は”知ろうと思えば知れる知識”を”知っている”と錯覚するのです。
そして、今の時代はインターネットで簡単に様々なことを知ることができます。
  
 なので、最初に話した自転車の仕組みなんて調べればすぐにわかります。
そのせいで、自分は知っていないことを知っていると錯覚してしまうのです。
  
 では、なぜ人間の脳はこのようになったのか?
それは人間がコミュニティの中で生きているからです。
  
 コミュニティの中で生活していれば、世の中の全てを理解していなくても上手く生活していけます。
それは、人間が一人で考えるよりも、大勢で考えた方がより良い答えをだすことができるからです。
  
 例えば、一人の物知りよりも、料理人やカウンセラー、エンジニアなど様々な人がいた方が豊かな生活を送れるのは明白です。
  
 また、人は一つの物事についても全てを理解することはできませんが、大勢でなら真理に近い答えを出すことができます。
  
 例えばコップについて説明しようと思ったら、
- どのような材質を選べばどのような効果が得られるか?
 - その材質がそのような効果をもたらす理由は何か?
 - 中に入れるべきベストな液体は何か?
 - 逆に入れるべきではないものはあるか?
 - どのような形状にすればどのような効果が出るか?
 - そう言える根拠は何か?
 - どのような形が人が心理的に好むのか?
 - etc
 
と、知ろうとすればするほど知るべきことが無限に増えていきます。
  
 コミュニティがそれぞれの役割を果たせば、一人一人が考えるべきことが減るので、個人で考えるよりも良い答えが出せます。
- 材質については材料学についての専門家
 - 形状については設計の専門家
 - 心理的に好む形は心理学の専門家
 
に聞けば、個人で考えるよりも良い答えが出せます。
  
 つまり、知識はコミュニティの中で生かされるべきであって、そうすることで個人の力の何十倍もの成果を上げることができるのです。
  
 要は、人は調べれば分かることを知っていると錯覚した方が、色々スムーズに良いものを作り出せるので、脳がそのような作りになっているのです。
無知を自覚できない原因2:知識は行動のために存在するから
 
 もう一つ人が錯覚する理由を説明します。
 それは、知識が行動するためのツールだからです。
単細胞生物に脳がないことから、世の中には知識よりも前に行動があったことがわかります。
そして、その行動を効率化するために生まれたのが、知識や思考、感情や言語なのです。
そして、行動のためには正確な知識は必要ないです。
- マッチをこすれば火が出る
 - 火を触ればやけどする
 
程度の知識で十分に行動を効率的にすることができます。
なぜマッチを擦ると火が出るのか?を考え始めたら行動するまでに何時間もかかってしまいます。
  
 このせいで、人は世の中を詳しく理解しなくなりました。
なぜならそれは効率が悪いから。
つまり、人の脳はは行動に必要な知識をだけを学習するようにできているので、「行動に足るだけの情報がある=知っている」と錯覚してしまうのです。
  
自分の無知を知って正しい判断をするための方法

  
 これまでに「人はなぜ錯覚するのか?」を説明してきました。
  
 では、具体的にどう対策すれば良いのか?
  
 今までの話をおさらいをすると、
 知識は行動のためにあり、組織の中で十分に発揮されます。
  
 つまり、それを利用すれば良いんです。
では、具体的な方法を3つ紹介します。
  
 それは次の通り。
- 5歳児に説明するように意識する
 - ジャストイン教育
 - 自分の専門分野を決めておく
 
それぞれ具体的に説明していきます。
  
方法1:5歳児に説明するように意識する
 
 自分がよく理解できていること=正しく説明できること
 と言えます。
そして、
 5歳児に説明できる=かなりの理解が必要
 ということになります。
なので、自分はこれを5歳児に説明できるか?
 と問えば自分の理解度も正しく知ることができます。
  
方法2:ジャストイン教育
 
 ジャストイン教育とは、必要な時に必要な知識だけを教えるという教育法です。
先ほど説明しましたが、人は行動のための知識を得ることで自分の理解度がわかり、学者効率も上がります。
  
 なので、行動する直前に学ぶことによって最も効率的に知識を脳に入れることができるのです。
つまり効率的に行動していきたいのであれば、時には理解度は気にせず、とりあえず行動できるだけの知識を学んで行動から学んでみるのも大事ということです。
  
方法3:自分の専門分野を決めておく
 
 人は無意識に役割分担をします。
なので、近くに金融に詳しい人がいれば金融の知識は知る必要が無くなり、脳が金融の知識を覚えることを放棄してしまいます。
  
 逆に周りの人たちの会計などを自分が担当し、責任を持つ立場になればお金について詳しくなります。
  
 なので、自分の専門分野を見つけ、それをコミュニティの中で使うことで、自分の頭の中に入れておきたい知識を入れておくことができます。
  
自分の無知を自覚するということ

まとめるとこうです。
- 人間の無知は脳の仕組み的に仕方ないのでそれを自覚することが重要
 - 知識は行動のためにあり、組織の中で十分に発揮される
 - なので、まずは自分の専門分野を決めてそれを5歳児にも説明できるくらいの理解度にする
 - それをコミュニティの中で使い、新しい知識が必要になったらその知識を勉強する
 - そしてみんなの知識を協力させて行動することが重要
 
 
 無知を知ることで自分を嫌いになるかもしれません。
 錯覚は楽しくて幸せです。
なぜなら、自分は賢いと勘違いできるから。
  
 ですが、嘘の世界で幸せになって満足ですか?
  
 せっかく生まれてきたのですから自分は何も知らないと自覚して、行動のために知識を貪欲に求めていきましょう。
  
 そうすれば周りの人たちよりは確実に賢くなれます。
  
 今回元にした本はこちらになります。
  
 おわり
  

 
 
 











